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新築や建売の家では、引き渡しのときに外構を最低限にしておき、住み始めてから整える人も少なくありません。
外構をわざと建物の完成後に回す人も多くいます。打ち合わせを急がずにすむ、外構業者を自分で選べる、といった理由です。
中には、建物の完了検査のあとにカーポートを建てれば、建ぺい率の上限を気にしなくてよいと考える人もいます。
ですが、上限を超えるカーポートは、検査のあとに建てても違反建築です。
役所から撤去を求められたり、家を売るときや借り換えのときに問題になったりすることがあります。
上限を超えずに建てられる大きさや置き方は、工事の前に業者や役所の窓口に確かめておきましょう。
この記事では、外構をあとからにするときの注意点を説明します。
あわせて、カーポートなどを付けたときの固定資産税の考え方もまとめました。あとから付けられる5つの設備について、それぞれ気をつけることも紹介します。
家を建てるとき、外構工事もハウスメーカーや工務店にまとめて頼むものだと思っている人は少なくありません。
実は、外構工事だけを外構業者に直接頼むこともできます。家の工事とは分けて、外構を別の業者に頼むことを「分離発注」といいます。
頼む前に、ハウスメーカーとの契約に外構工事が入っているかを確かめましょう。入っている場合は、外すときの手続きや金額の扱いを担当者に聞いておきます。
「ハウスメーカーに悪いかな」と気になるなら、外構は別に相談していることを早めに伝えておくと安心です。引き渡しの前に外構の工事を始めてよいかも、そのときに決めておけます。
相談者建物の打ち合わせだけで手いっぱいで、外構まで考える余裕がないんです…。



あとからで大丈夫です。ただ、家が建つ前にしか決められないことが少しだけあります。
この記事で分かること
- 外構をあとからにする3つの理由と、建売で先に確かめる3点
- 建物の工事中に決めておくと、あとから困らない4つの項目
- カーポート・ガレージ・物置に固定資産税がかかるかの見分け方
- フェンス・カーポート・植栽・照明・土間コンクリートを付けるときの注意
新築・建売の家で外構をあとからにする理由と注意点



外構をあとにする人って、みなさんどんな事情なんでしょう?



お金・暮らし方・業者選び、この3つが主な理由です。
新築の外構をあとからにする主な理由
- 予算を建物に回したい:建物の打ち合わせが進むうちに、キッチンや断熱などに費用がかさむことがあります。そこで、外構の分を後回しにするケースです。
- 暮らしてから必要なものを決めたい:住んでみて初めて分かることは多くあります。たとえば、通りからの視線がどこから入るか、自転車をどこに置くか、雨の日にどこがぬかるむかです。
- 外構の業者を自分で選びたい:ハウスメーカーにまとめて頼まず、外構業者に直接頼むと、プランの選び方の幅が広がります。
頼む業者を決めるときは、2社以上からプランと見積もりをもらって比べることがポイントです。
建物の図面(配置図・設備図)を手元に用意しておくと、どの業者とも同じ条件で話を進められます。
建売の外構をあとから整えるときに確かめること
建売住宅は、駐車場の土間コンクリートと境界のブロックだけ、という状態で引き渡されることがあります。
手を加える前に、次の3点を手元の書類で確かめておくと、工事のやり直しを防げます。
- どこまでが自分の土地か:売買のときの資料で、境界標(敷地の角にある杭や金属のプレート)の位置を見ておきます。境界のブロックがどちらの持ち物かも、あわせて見ておきます。
- 引き渡し時に何が付いているか:すでに付いている物を一覧にしておくと、二重に頼むことがなくなります。門柱・ポスト・表札・物干し・立水栓(外の蛇口)などです。
- 保証の範囲:建物の外壁や基礎の近くを掘る工事をすると、売主の保証の扱いが変わることがあります。気になる場合は工事の前に売主へ問い合わせてください。
家が建ってから外構をあとから工事するときの注意
建物が建つ前は広く開いていた敷地も、家が建つと通り道が限られます。
あとから工事をするときに困りやすいのは、次のような点です。
- 機械や資材の通り道:裏庭まで小型の重機や生コン車のホースが届かないと、手作業が増えて工期と費用がふくらみます。
- 地中にある配管:柱を立てられる場所や掘れる深さは、地中の配管で決まります。排水や雨水の管、桝(ます。地面にある点検用のふた)の位置です。
- 住みながらの工事:工事中は車を停められない日や、玄関まわりを通りにくい日が出ます。日程を先に聞いておきましょう。
下の表は、新築の打ち合わせで決めておくと、あとからの工事が楽になる項目です。
| 新築の打ち合わせで決めておくこと | あとからの工事で効いてくる理由 |
|---|---|
| 外壁の屋外コンセントと配線用の空き管 | 照明や電動の門扉をあとから付けるとき、外壁に穴をあけ直さずに済む |
| 立水栓の位置 | 洗車や植栽の水やりに使う場所と離れていると、配管のやり直しになる |
| 給湯器・エアコン室外機・メーターの位置 | 駐車場や通路にはみ出すと、車の出し入れやカーポートの柱の位置が限られる |
| 敷地の高さと水の流れ | 土の部分から道路へ水が流れる向きが決まっていないと、あとで舗装したときに水たまりができる |
しばらく土のままにする場合は、雨の日の泥はねや雑草が気になります。
そのあいだ、仮に砂利を敷いておく方法もあります。あとで工事をするときに、すき取って使い回せることがあるので、業者に相談してみてください。
外構をあとからにすると、住宅ローンとは別にお金を用意することになる場合があります。
借り方の選び方は外構工事のローンの記事で詳しく説明しています。
外構をあとから付けたときの固定資産税・税金



カーポートを付けたら、毎年の税金が増えるって本当ですか?



同じ車を置く屋根でも、壁の数と基礎のつくりで扱いが分かれます。
固定資産税がかかるかどうかは、その物が税の上で「家屋」に当たるかで決まります。
ここでは市区町村が公開している基準をもとに、考え方を整理します(2026年10月時点の公開情報によります)。
固定資産税がかかる「家屋」の3つの要件
多くの市区町村は、次の3つをすべて満たす建物を、固定資産税の対象になる家屋としています。
| 要件 | 意味 | 外構での例 |
|---|---|---|
| 外気分断性 | 屋根があり、三方が壁で囲まれていること | 柱と屋根だけのカーポートは満たさない |
| 土地への定着性 | 基礎工事などで土地とつながり、簡単に動かせないこと | ブロックの上に置いただけの物置は満たさない |
| 用途性 | 建物として完成し、本来の目的に使えること | 車庫や物置として使える状態か |
カーポート・車庫・物置は課税される?
入間市は、柱や屋根だけのカーポートや、外壁が二方向までの車庫を、家屋として課税しないとしています。外気分断性を満たさないためです。
大分市も、壁のないカーポートには外気分断性を認めないとしています。
出典:大分市「課税の対象となる家屋」 https://www.city.oita.oita.jp/o036/kurashi/zekin/1014270333533.html
反対に、三方を壁で囲み、基礎で地面に固定したガレージは、3つの要件を満たして課税の対象になり得ます。
物置も同じで、入間市は基礎工事をして簡単に動かせない物置を課税の対象としています。
大分市は、ブロックに載せただけの物置でも、水道や電気につながっていてすぐに動かせない場合は課税の対象になるとしています。
シャッター付きのガレージや大きめの物置を、あとから付ける予定はありますか。それなら、プランの段階で業者に「壁は何面か」「基礎はどうするか」を聞いておくと、判断しやすくなります。
いつの持ち主に、どこが課税するか
固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点の持ち主に、その物がある市区町村が課税します。
出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」 https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/real_estate/o
年の途中で、家屋に当たるガレージを建てたとします。次の1月1日の時点で持っていれば、その年度から課税の対象になると考えておきましょう。
判断の細かいところは市区町村ごとに異なります。
迷ったら、図面やカタログを用意して、お住まいの市区町村の資産税の担当課に問い合わせるのが確実です。
外構にあとから付けられるもの



住んでからだと、もう付けられない設備ってあるんですか?



どれも付けられます。ただ、すでにあるブロックや配管に合わせる手間は増えます。
ここからは、住み始めてから付ける人が多い5つの設備について、あとから付けるときに気をつけたいことを順に見ていきます。
フェンスをあとから付けるときの注意
境界のブロックの上にあとからフェンスを立てるなら、気になるのはそのブロックの強さです。フェンスの重さや、フェンスが受ける風の力に耐えられるかは、業者に判断してもらう必要があります。
ブロックの段数や中の鉄筋は外から見えないため、建てたときの図面があれば渡しましょう。
もう一つ見落としやすいのが、分譲地の決まりです。
地区計画(市区町村が地区ごとに定めるまちづくりのルール)がある場所では、フェンスにも決まりがあることがあります。道路側の垣やさくは、生垣や透けて見えるフェンスに限る、といった決まりです。
設置の前に、届出が要ることもあります。
たとえば佐賀県鳥栖市の弥生が丘地区計画では、かきやさくの設置も届出の対象です。工事着手の30日前までに届け出るよう定めています。
出典:鳥栖市「弥生が丘地区計画の届出の手続き」 https://www.city.tosu.lg.jp/soshiki/22/3189.html
自分の土地に地区計画があるかは、市区町村の都市計画の担当課で確かめられます。
フェンスの種類や費用、高さの決め方は外構工事のフェンスの記事にまとめています。
カーポートをあとから付けるときの注意
カーポートは、建築基準法では屋根と柱をもつ「建築物」として扱われます。
家のある敷地に付けると、増築にあたります。そのため、建築確認申請(工事の前に、法律に合っているか審査を受ける手続き)が必要になる場合があります。
神戸市の住まいの相談窓口は、防火地域・準防火地域では面積にかかわらず申請が必要としています。それ以外の地域では、10平方メートルを超える増築で申請が必要です。
出典:神戸市すまいの安心支援センター すまいるネット https://www.smilenet.kobe-rma.or.jp/faq-list/1153/
同じ出典によると、建ぺい率(敷地の広さに対して建てられる面積の割合)は、敷地内の建物すべての合計で見ます。
そのため、カーポートを足すと上限を超えるおそれがある、とも説明しています。
家を建てたときに建ぺい率いっぱいで設計している場合は、付けられる大きさが限られることがあります。
建てたときの確認済証や図面を業者に見せ、申請が要るかを打ち合わせの最初に確かめてもらいましょう。
工事の順番にも気をつけます。先に土間コンクリートを打ってしまうと、あとからカーポートの柱を立てるときにコンクリートを壊して穴を掘ることになります。
数年以内にカーポートを付けるつもりなら、土間コンクリートの工事のときに柱の位置だけ決めておくと、壊す手間を減らせます。
植栽をあとから植えるときの注意
植栽は、あとからでも始めやすい外構の一つです。ただ、植えやすい時期は木の種類によって違うので、植える季節は業者や園芸店に聞いて決めましょう。
苗木のときは小さくても、数年で枝が隣の敷地まで伸びることがあります。成長したときの高さと幅を聞き、境界から離して植えるのが基本です。
枝の越境については、令和5年4月1日に民法233条が改正されました。
改正後は、次のようなときに、隣の人が自分で枝を切れるようになっています。
- 隣の人が越境した枝の切除を求めても、相当の期間内に切らないとき
- 木の持ち主が分からないとき
- 急ぐ事情があるとき
出典:品川区「越境した木の枝の切取りルールの改正について」 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kankyo/kankyo-kenchiku/20250902093556.html
植える側も、境界近くの木はこまめに手入れする前提で選ぶと安心です。
ブロック塀の撤去や生垣づくりには、市区町村の補助金が使える場合があります。市区町村別の補助金の一覧で確かめてください。
補助金の多くは工事の前の申請が必要なので、契約の前に条件を確かめてください。
照明をあとから付けるときの注意
門柱やアプローチの照明をあとから付けるときは、配線の工事をだれが行うかに注意します。家庭用の電源(100ボルト)から配線する工事は、電気工事士の資格を持つ人が行うことが法律で決められています。
出典:一般財団法人電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」 https://www.shiken.or.jp/construction/about/
外構業者に頼む場合は、資格を持つ人が工事をするか、電気工事の会社と組んでいるかを確かめておきましょう。
費用と仕上がりを左右するのは、電気をどこから取るかです。外壁に屋外コンセントや配線用の空き管があれば、地面に浅い溝を掘って線を通すだけで済むことがあります。
何もない場合は、外壁に穴をあけて室内の分電盤から線を引くことになります。そのぶん、工事が大きくなります。
配線がいらないソーラー式の照明もあります。ただし、日の当たらない場所では十分に光りません。置く場所の日当たりを見てから選んでください。
土間コンクリートをあとから打つときの注意
駐車場をしばらく砂利にしておき、あとから土間コンクリートにする人も多くいます。あとから打つときに確かめたいのは、次の3つです。
- 水勾配:雨水が道路側や排水口へ流れるよう、わずかに傾きをつけます。家が建ったあとは玄関や道路の高さが決まっているので、その範囲で傾きを取れるかを見てもらいます。
- 桝のふたの高さ:コンクリートの面と桝のふたの高さがずれると、つまずきやタイヤの段差の原因になります。ふたの高さの調整も工事に含まれるかを聞いておきましょう。
- 固まるまでの期間:打ったあとしばらくは車を載せられません。季節や厚みで変わるので、何日停められないかを工事の前に聞き、そのあいだの駐車場所を決めておきます。
あわせて、目地(コンクリートのひび割れを逃がすための区切りの線)の位置も、打ち合わせで決めておきましょう。
目地は見た目に関わるので、先に決めておくと仕上がりのイメージのずれが少なくなります。
お住まいの市区町村に本店がある外構業者は、外構業者ずかんの都道府県別の一覧で探せます。




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